最優秀女優賞の黒木華さん 「名前呼ばれパニック」

「監督に金の熊さんをもらえたらいいなあと思っていました」。

ベルリン国際映画祭で最優秀女優賞(銀熊賞)を受けた黒木華

(はる)さん(23)は受賞後の会見で、こう振り返った。

「まさか、自分がとは思いもよらず、昼間はベルリン観光を

していた。

名前を呼ばれ、パニックで跳び上がりそうになり ました」

山田洋次監督は「60～70年前の地方出の日本人女性のイメー

ジを体現できる人はほとんどいません。

華ちゃんは昭和の女性の雰囲気を色濃く持ち、かっぽう着が

よく似合う。

オーディションで会った後に、2年が過ぎていないことは夢

のようです。

手の届かない国際的女優になっちゃうなあ」と感激しました。

黒木さんは「監督について来られただけで幸せで、このよう

な言葉までもらえてうれしい。

作品が評価されたと思います」。

黒木さんは大阪府出身です。

劇作家の(野田秀樹さんが主宰するNODA-MAPのステージでデ

ビュー。

昨年の映画「船を編む」、「シャニダールの花」ほかでキネ

マ旬報新人女優賞など国内の賞を多数受けた。

テレビドラマ「純と愛」「リーガルハイ」にも出演した。

古風な女中からキャリアウーマンまで、幅広い人物像にリア

リティーを与えられる俳優です。

寺島さんらに次ぐ日本人俳優4人目の受賞と聞いて「すごい！

こわい！」と叫び、「今までと変わらず、作品のためにでき

ることを地道にボチボチ頑張りたい」と表情を引き締めました。